良いお寺、わるい坊主


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(写真は参考画像)

お寺を引き受けるについて、経理責任者(事務長)を決定しなければならない。

これは、バッチリ適任者がいた。

宗教系の大学を卒業、経理の勉強もしている、現在独身33才の当社総務課長N。

Nに、地方滞在のため、月2万円固定給を上げる。Nは車で動き回るので、交通費(燃料費)として月15000円プラスする、ボーナスは今までをベースにするがアップする、という条件を出した。

これでNはOK 。

ー頑張って、利益を上げるようにして。ー

と送り出した。

(宗教法人でも、利益は多い方がいい)

 

私は月に2~3回行くだけであったが、

○次の事業計画

○事業設計図の作成

○人事と報酬の支払い額決定

には必ず立ち会って、細かい指示を出した。

Nはよくやった。

これまでの無駄な経費を押さえ、その押さえた額で、Nの月給が出るくらいだった。

Nは年は若いが、yes,no をはっきり言い、偉そうな年配の坊主も、我々の方針に従わせた。

 

所有霊園があったので、これの販売と布施等で、運営は比較的楽であった。

年間2000万円以上利益を出せばよいわけで、Nの経理能力と管理能力で充分可能だった。

私は若いNに、色んな提案をした。

△霊園の販売率(貸与率)を上げる為に、清掃をきっちりして清潔な霊園のイメージにする。

△屋内納骨堂の改装。

(コンクリート打ちっぱなしだったので、数百万円かけて豪華な感じに作り替えする。)

△布施は事務員が受け取る。

(これはどういう意味かというと、普通坊主が法要に行って、坊主が布施を受け取る。

ところが、坊主が受け取ると、50万円受け取った布施を10万円自分のポケットに入れ、布施は40万円でしたという坊主がいた。

あくまでやっているのは宗教法人。巨大な本堂もあり、歴史あって、地域では名のあるブランド寺。だから法要も回ってくる。

仕事は法人としての仕事、坊主個人の仕事ではない。

不正を働く場合、すぐクビにしたが、お寺の事務員が布施を受け取りに行くと、不正そのものが出来ない。)

△坊主の教育をする。

(坊主は時期によって違ったが、いつもおよそ5,6名いた。

真面目な坊主もいたが、呑む、打つ、買う、というような坊主や、行儀のちょっとわるい坊主もいて、私も彼等を教育、色々な規則を守らせる為に、私は宗教法人と坊主の間で、キッチリとした雇用契約を締結させた。)

(続く)

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