やってられない仲介業務

私がホントにやってられないと思った仕事は、仲介業務。

こんな馬鹿馬鹿しい、ムダの多い仕事はない。

元々自分での不動産売買(下は300万円から、上は1億円くらいの少額物件の売買)は頻繁にやっていたが、仲介業務はやったことがなかった。

 

ある時、こういう物件を買いたいという人が来社。その物件は30億円前後の商業ビルで、年利回り6%以上、平成10年以降の建物、場所は23区内というものだった。

 

私は仲介料9000万円を想像して、やってみようと営業社員全員に声をかけた。

営業社員は、このために動いた。

ただし、自社物件が日本全国に100数十あるので、これを売る以外の時間に。

 

予算30億円と聞いていたから、23億円ぐらいから、上は33億円ぐらいまでの案件で、条件に合うものを。

物件の確認調査をして、週に2,3件は買主のところに行き、現地案内も月に3,4回は行っていた。

 

3ヵ月が経過。

30件以上の物件提示。

既に10回以上現地案内。

まだ決まらない。

 

ここで最も面倒なのは、物件の提示。何故かと言えば、簡単に提示出来るものではないから。

△入手資料のチェック

△ここ数日に予約や契約が入ってないかの確認

△売主の意思確認

△他の仲介者の確認

文字にすれば、簡単なように見えるが、意外とややこしい。

買主に間違いない物件、正確な情報を持っていく為だ。

 

これを4,5人の営業マンが、自分の空き時間に、入れ替わり立ち替わりやっていた。

しかし余りに手間がかかり、買主もはっきり決定しないので、その後1ヵ月で、この案件中止してしまった。

 

以後仲介は、原則お断り。

自社物件を売っている方が、どれだけラクか分からない。自社がもっているから、どのような決定も一瞬で出来るからだ。