首ったけになったのはどっち
もうあなたに首ったけ。
ー嘘つけ! 俺みたいなジジイに、何でお前みたいな若い美人が? あり得んだろう。ー
あり得るわよ。だって都内に30もビルを持ってるんでしょう。
ーそれが目当てか?ー
それも目当て。
ーはっきり言う子だなあ。ー
だって嘘はつきたくないもの。
でも財力は男の証。
私、若い恰好だけで気取っている男に、全く興味ないの。
ーそうか。お前みたいな美人だったら、ビルの3つや4つあげてもいいぞ。ー
えっ! ほんと! ほんと!
ー本当だとも。俺も君のような可愛い子に会ったことはない。ー
でも愛人いるんでしょう?
ーま、ま、まあな。ー
愛人と別れて下さいとは言いませんが、私1番になれます?
ーなれる。なれる。今までの女とは別れてもいい。取り敢えず、明日帝国ホテルで食事でもしないか?ー