三鷹駅前、高級喫茶をやる

中央線の三鷹駅総武線だと新宿、秋葉原を通って千葉に向かう始発駅の三鷹

平成6年、この三鷹の駅前に、超高級の喫茶店を出したことがあった。

 

茶店は客の回転率がわるい。だから1時間の時間制にした。椅子やテーブルも一応豪華な感じのものに。

店員もとびきり美人ばかり(?)。

愛想はめちゃ良くさせた。席は38席。間隔をあけて、座席の感じをゆっくり目にとった。

 

ただし、コーヒー、紅茶一杯千円。実は簡単明瞭、レジ係も分かり易いように、全ての飲物、食事を1000円にした。パスタも、カレーも、サンドイッチも、ジンジャーエールもオレンジジュースも消費税込みの1000円。

(私はこういう均一価格や、2種類だけの価格という方法をよく使った。これだと、計算が超簡単、お金の誤魔化しも出来ない。)

 

喫茶では、飲物は必ず頼んでもらい、食事は自由にした。

 

駅前で店の前の通行量は勿論調査していた。1分につき、30人~35人。これは絶対にbusiness(黒字)になる通行量。

何故なら、我々は多くのbusinessで経験していた。

ダイヤモンドショップ、ブランド品ショップ、雑貨デイスカウントショップ、絵画店。

 

どんなbusinessでも商売になる、およその分岐点は、店の前の通行量1分につき15人以上だ。(人が立ち止まらないコロナの今の時代は、20人以上と考えた方がいい。)

これ以下の通行量だと、なにか他のプラス条件がないと、businessが成立しない。成立しにくい場所でのbusinessは、労多くして益少なし、骨折り損のくたびれ儲け、になる可能性大。

だから、前にも言ったように、場所の選定は重要だった。

 

ところでこの高級喫茶

(単純に交通量で計算すると、そこそこ儲けるはずだった。)

最初2,3ヵ月は、もの珍しさで、若い男性を中心に客が多かった。しかし段々客数が減り、厳しい経営になった。

客数があまり減らないように、近くのオフイス街、住宅街にビラ撒きもやった。

それで、多少増加もあったが、増加、減少、増加、減少の繰り返し。しかし、総体的に減少ぎみ。

 

何しろ高い喫茶だから。

そのうちに、客の中心が段々中高年に。

結構セクハラまがいのことを言うオジサンもいて、女の子は大変だった。

単価を下げて、普通の価格の喫茶にしても良かったが、そのつもりはなかった。

 

実は店を作る際、こういうことは一応想定していた。

内装工事の時も、万一の時は、デイスカウントショップにする積もりで、内装していた。

(私はこんな風に、物事を二刀流で考えてやることが多かった。)

 

結局、超高級喫茶は、内装の減価償却費も含めると、5ヵ月間で約170万円の赤字。

店は、貴金属、ブランド品、高級子供服のデイスカウントショップに変更。店の椅子やテーブルは本社応接室へ。店員はそのままで、業務変更。

(子供服というのは、ある業者からブランドの子供服をかなり多量に買わされていて、在庫があったから。これも結構売れた。)

 

デイスカウントショップは順調。高級喫茶の赤字は約1ヵ月半で補填出来た。

(やはり回転率のわるい仕事はやるべきでない、とつくづく思った。)