逃亡シマリスの独り言
ボク、逃亡者なんだよ!
というか、飼い主がカゴの入口を開けて、エサを入れようとしたとき、隙間から逃げたんだ。
彼女と離ればなれになったんで、彼女に会いたくて脱出!
でも彼女、見つかるかどうか分からない。
ボクのように捕獲されて売られているかも知れないし。
ボクの飼い主、いい人だったよ。
何しろご馳走を山のように持ってきてくれる。
それを食べたもんだから、体重15kgじゃなかった、15gも増えたよ。
ボクの普段の体重は50g、それが65gになっていた。
普通ボクの仲間のシベリアシマリスは50g前後なんだ。
それが30%もオーバーの肥満体に。
走るのヨタヨタ、寝るのもドッコイショという感じ。
そりゃあそうでしょう、70kgの人が91kgになったことを想像してみて。
自然の中に出て走り回っているもんだから、もうかなり元の体重に近付いている。
彼女は見つかっていないけど。
木の上の方にいい穴があったので、もう寝床も作ってある。
ただ自然界、こわい敵が多いんだ。
狐、猿、蛇、狸、時には鷹、鷲、猪、熊。
地中の穴に巣を作るシマリスもいるけど、ボクは高い場所が好きだし、敵が来ても、木の枝飛び渡るのはお手のもんさ。
蛇は木の上まで這い上がってくる。
猿は木の穴に手を突っ込んでくる。
この2つが一番気持ち悪い。
猿の顔ブサイクだし、蛇は長い体であのにょろにょろ動き。
想像しただけで、寒気がする。
こわい敵があまりいるようだと、飼い主の元へ戻ればいいか。ご馳走もいっぱい出してくれるし。
今度は食べ過ぎないようにしようっと。