借金地獄からの脱出

以前20才終盤で5億円の借金ができて、身動きとれなくなったことを書いた。

(商品、特に不動産の売上げが停滞したことによる。)

 

そこで5億円の借り換えを、取引銀行を変え、有力な顧客に協力してもらい、先輩、大学の同級生に助けて貰って、一旦決済。支払い期限を緩いものにきりかえた。

 

切り替えても、5億円は借金。借金は返さなければならない。

社員11名だったが、全員20代の若者。下は24才から上は29才の、言わば若造だけの会社。

net でも商品の販売を始めていたが、思ったほどは売れなかった。net でよく売れ出すには、それから数年かかった。

ただ若者ばかりだと行動力はすごい。

 

ダイヤモンドを、南アフリカソビエト、インドから輸入して、宝石店に卸売りしていた。取引先は17社だったが、コンスタントに売れて、そこそこうまくいっていた。

 

借金返済の為に始めたのは、この仕事を拡大すること。

不動産は、契約までに時間がかかる。

ダイヤモンドはトランクひとつあれば良いし、それでうまくいけば数百万円という単位で売れる。

 

そこで取引先17社を100社くらいに増やそう!と号令をかけ、不動産担当者以外の5人、私を含めて6人、ふたり一組で飛び込みをすることにした。(コロナのない時代だから、訪販自由自在。)

 

丁寧に話をするように、忙しそうにしている会社は後日再度訪問する、と言ってあったので、劍もほろろに帰ってくれという会社はなかった。

 

ただ、思ったほど最初はうまくはいかなかった。私は1番若い子と組んでやったが、1日20件回って、売上げ0ということもあった。

しかしその後も、とにかく宝石店を徹底的に回った。

 

最初は首都圏、次に他の関東圏、中部、東海、京阪神、東北...

徐々に話(交渉)が上手くなっていったこともあるが、およそ4,5件に1件は契約することが出来た。

 

ロット売りを中心にやっていて、人気があったが、ロット買いをいやがる人もいて、相手に応じた売り方をした。

(ロット売りとは、宝石のルースを10ピース、20ピース、100ピースというように、まとめていくらで売る方法。)

 

全員で回った件数1000件以上。

無論契約出来た会社は100社を超え、200社前後いった。

200社と言っても、10万円、15万円しか買ってくれないところも、200万円、300万円買ってくれるところもあった。

宝石部門の売上げは、こういうことをやった年は年間3億円以上上昇した。

 

これも借金を返す原動力になった。

借金は、それこそ寝る間も惜しんで働いて、完済に5年かかった。